2014.03.26

気仙沼勝手に応援団 vol.11 ~気仙坂~

気仙坂気仙坂

「気仙坂ヤーハーエー 七坂八坂九坂 十坂目にヤーハーエー」で始まる祝い唄。
岩手の民謡”気仙坂”が由来のこのお店は、新宿歌舞伎町のど真ん中、ゴールデン街の一角に存在する。

ママの梶原悦子さん(通称えっちゃん)は気仙沼市港町出身。
名物はママ自らが蕎麦教室に通って身につけたという自家製の手打ちそばらしい。「らしい」というのは週に1度限定10食ほどしか打たないという貴重な逸品のため、まだ食べれたことがないためだ。いつの日か食べてみたい私の憧れメニューだ。

「お客さん同士が仲良くなって楽しく飲めるお店にしたい」
そう語る梶原さんの思惑通り、カウンター10席ほどの店内ではお客さん同士がいつもママを起点に話し始める。
わたしたちが行った夜は、東北復興についてのお客さん同士の熱い議論が繰り広げられていた。防潮堤、仮設住宅、かさ上げ、原発問題、まだまだ進まない山積みの課題に、離れて暮らす立場でのそれぞれの想いが溢れだす。

「びっくりしないでね、ここはこういう店なの」そう言ってママが笑う。
そう、ここは人生相談をする人、仕事の悩みを語る人、うれしかったことやつらかったことを報告する人。それぞれが好き勝手に熱く語り笑い合う場所。それらをすべてやさしく包み込むママの笑顔。まるで航海を終えた漁船を迎え入れる母港のような雰囲気がここには存在する。

眠らぬ街歌舞伎町の一角にある、「おかえり」を感じる気仙坂で、今日もやさしいママの笑顔が待っています。

施設概要